2016年2月26日金曜日

東大の2016年入試生物にHans Cleversが登場

国語の問題に内田樹が登場したとnoteしたが、同じ2016年の生物にHans Cleversの Lgr5の最初の論文とほぼ同じ内容の出題がなされた。現代の大学入試の内容が極めてアップデートであることには驚くしかない(まあ発表から9年たってはいるが)。

小生がこの東大の問題が感慨深いのは当ブログの初回投稿内容が当時発表されたばかりのLgr5論文そのものだったからである。
 
Identification of stem cells in small intestine and colon by marker gene Lgr5
Nature 449, 1003-1007 (25 October 2007)


東大の入試問題では題材はLgr5と書いてある。実験対象はマウスの小腸である。さすがにCre-Loxという名前は出てこない(酵素Cに領域Lだってさ!)。オリジナルではタモキシフェン誘導で遺伝子改変が行われるが、さすがに入試では化合物Tと表現されている。

大仕掛のコケオドシ的大舞台が設営されているが、問題そのものはあまり豊かなものとは言えない。当然とはいえ入試ではLgr5の生物学的面白さは捨象されているわけだし、そうなると単なる分子生物学実験の基礎がわかっていますか?という問題になってしまう。小生としてはあまり愉快ではない。

とはいえLgr5である。出題者は小生と同様の思い入れがあるのだろうと思います。化合物Tねえ。タモキシフェン濃度に私たちは随分こだわったよ、あの頃。

さて受験生は、高校生はこのような問題を楽々と解くのであろうか?そうだとすればすごいね。



























一番上がオリジナルの論文 下3枚の図表が今年の問題の一部である。







2016年2月25日木曜日

東大の2016年入試国語に内田樹が登場



小生がとても好きな物書き(作家でもない、エッセイストでもない。哲学者?思想家? いずれでもあるような気はするが、取り敢えずここでは物書きと言っておく)内田樹氏のことは何度も何度もこのブログで取り上げた。

 ここ一~二年、大手マスコミがこの方の無視を決め込んでいることが、どうにも小生には歯がゆくてならない。マスコミは例の国会前の防衛法案反対ストあたりから自己規制を始めている。


内田さんの本を小生おそらく30 以上読んだが実は最近の新しい書物群(いまでも精力的に出版しているのは知っている)には縁がなかった。

でもネット上にあるいろんなエッセイ(彼のブログ など)は気がつく限り読んでいる。頑張って欲しいと思うし、それ以上に世間が再度内田樹に注目することを期待し念じていた。

 

んな私に驚くべきことが起きた。本日の東京大学の国語の問題文に内田樹の文章が取り上げられたのだ。

東京大学の世間に対する強烈なメッセージと私は受け取った。内田樹を取り上げることが現況下どのような意味があるのか東京大学が意識しないわけがない。一旦取り上げたらどのような捉え方をされるのか大いな る覚悟を持っての出題なのだ。痛快だ。

 

その文章の最後を飾る段落を引用しよう。この反知性人が誰を暗喩しているかここでは問わない。一人かもしれない。複数かもしれない。潜在的受験生である高校生たちにしっかりとこのメッセージ性を受け取ってもらいたいと思うのは小生だけではなかろう。


2016年2月17日水曜日

Flip Signに対するメモ












一方でこんな報告も・・・



2016年2月7日日曜日

ギランバレーを早期に見つけるこつ



  1. 比較的最近(1日から3-4週間以内)始まった脱力。
  2. 脱力は片側よりも両側性であることが多く、左右対称。
  3. 典型なケースでは、脱力は上行性に進行し、「アヒル歩行(鶏歩)」、「階段をのぼれない」、「ベッドや椅子、床などから起き上がるのが困難」などの症状を呈する。
  4. 大腿や腰に生じる痛みなどの疼痛は、GBSの早期徴候で、初発症状となり得る。
  5. 知覚麻痺、刺痛、蟻走感などの知覚異常が早期に起こる。手足や四肢遠位に起こることが多いが、顔や歯肉にも起こることもある。
  6. 深部腱反射の消失または低下は、GBSの顕著な特徴。
  7. 脳脊髄液のタンパク細胞乖離もGBSに特徴的。
  8. ウイルス性またはその他の感染症(上気道炎、のどの痛み、下痢など)の最近の既往は、GBS患者の3分の2に認められる。

知っておくべきギランバレーの8兆候【米国救急医学会】

What Emergency Physicians Should Know About Guillain-Barré Syndrome

早期診断にむけてACEPが紹介
2016年2月4日 (木)  (m3の臨床ニュースより