2013年1月26日土曜日

音楽をめぐるあれこれ(1)

今年に入って、まったく投稿しなくなったのは、情熱が無くなった訳ではなく、ただただ掲載する気になる論文がなかなか見当たらなかったからなのだが、それとは別に、この三週間は音楽に目覚め、いろんな音楽を知る機会が多くて、音楽を聴きまくってドキドキしていたせいもある。

さて、この音楽というのは日本人のユニットのことであるが、結成されて10年になるのに、今年になるまで全く知らなかった二つのユニットと、昔購入していたが、ほとんど聴いていなかった一ユニットのことである。これは是非書いておきたい。

まず二つのユニットというのは

  1. Jill Decoy Association(ジルデコ)
  2. Paris Match

という 。御若い方ならご存知の方も多かろうが、小生は全く知らなかった。この二つのユニットは、全くもって素晴らしいの。もう脱帽である。

まずジルデコであるが、3人組のボーカルユニットであるがボーカルの女性の声が微妙に、ぎりぎり、いいのですな。ChihiROさんという。このヒトは良い。バックの演奏もしゃれている。4〜5枚CDが出ているが、3枚も買ってしまった。ジルデコはPV(プロモーション・ビデオ)がYouTubeにいくつもあるので、たとえば「Take On Me」「ドレスを着る前に」という曲を聴いてみてほしいですな。ジルデコで小生いま一番気に入っているのは昔のジャズのスタンダード曲なんだが「I'm All Smiles」という曲である。この曲一日何回聴いていることだろう。

一方Paris Matchは2人組のユニットのようだが、これも 女性でボーカルをとるミズノマリの声が素晴らしい。アルバム全体としてはずれ曲が無いことで言えば、ジルデコよりも完成度が高い印象だ。

Paris Matchは小生にとって忘れられないイギリスのグループ「The Style Council」のデビューアルバムに収められた、印象的で有名な曲である。研修医のころつきあっていた女の子に教えてもらい「ポール・ウェラーじゃなくて、トレイシー・ソーンの方を買わなきゃだめだよ 」と何回も念を押されたことが思い出される。小生にとってこのアルバム(カフェ・ブリュ )は一発で気に入ってしまった。10年以上前にアマゾンの「カフェ・ブリュ」にコメントを書いたことがある。小生が初めての書き込みだったんだけど、ついさっき見たら書き込みが30幾つに増えている。最初の数年は3人くらいしか書き込んでいなくて、寂しかったんだがなあ。ミズノマリさんにとってもスタイル・カウンシルは特別なグループなんです。それでユニット名がパリス・マッチなのね。

昔購入していたのに最近まであまり聴いていなかったのはorange pekoeというユニットだ。これも良い。「柔らかな夜」という曲がお気に入りである。

この三つのユニットから派生して、本当にいろんなグループのことを知り、ここ数週間ボクの音楽人生は急速に豊かになっていっているのだ。

2013年1月10日木曜日

新春を飾る巨大な・・・?:NEJMのイメージ

New Eng J MedのImages in Clinical Medicineには驚かされることが多いが、これは世界中から症例が集まるからだ。今週はアルゼンチンとルーマニアからの投稿である。



話のまくらであるが、乳腺疾患にはハーゲンセンという有名な教科書がある。随分昔からある教科書で、従って医学が充分発達していない頃の症例も載っていた。若い頃これを読んで勉強したことがあるのだが、小生が忘れられない印象的な写真があって、それは「線維腺腫」の写真だった。

今日この頃の線維腺腫は皆に「FA」とか言われちゃって、せいぜい10-20 mmくらいの大きさで、マンモグラフィーでは特徴的な真っ白ぎらぎらポップコーンで、切れば弾けんばかりに飛び出してくる、そんなかわいいやつが多いが、ハーゲンセンの教科書には、そんな「かわいいやつ」が何年(何十年?)もほったらかしにされたのち、数十センチの巨大腫瘍となったものが掲載されていた。その黒人(だったと思う)の写真は、良性腫瘍でもほっとけばこうなるという警告のようで、身の毛がよだった。




















さて今回のルーマニアの症例だが、診断は見た瞬間つく。snap diagnosisであるが、よくぞここまでほっといたものだ。
説明によると 55cm x 35cmで下縁が膝の高さ(!)だという。25年でこうなったらしい。患者殿は手術を選んでくださらなくて、その後消息を絶たれたそうな。


Images in Clinical Medicine
Large Right Inguinal Hernia
Horia Parvanescu, M.D.
N Engl J Med 2013; 368:171January 10, 2013

Horia Parvanescu, M.D.
Clinic Emergency Hospital Craiova, Dolj, Romania