2010年7月26日月曜日

インセプションを観た

午後が有休であり、たまには真面目に有休を取らないといかんでしょう・・・ということで映画を見に行った。またまた出かけるまでなんの映画をやっているかよくわからない状態であった。「踊る捜査線」でも観ましょうか、と思っていたが丁度3時過ぎから「Inception」をやっていたので、これ観ました。  感想はだね、ムムムというところ。

ボクはこれまで映画を観て寝てしまったことなど余りないのだが、本日のこの映画では3回くらい意識を失ってしまった。これまで小生が寝た映画は良く覚えている。例えば19歳ころみたベルイマンの「処女の泉」は全く理解できずに寝てしまった。この他「第7の封印」も寝たな。なんだお前ベルイマンばかりではないか・・・しょせん君にはベルイマンは無理なのよ・・・と言われるかもしれない。でもね、これだけベルイマンを見に行ったということはだね、感動した映画も多くてたとえば「夜の儀式」には打ち震えたし、「沈黙」にも感動した。だからベルイマンは好きな監督といっていい。ベルイマンで得た教訓。わからんと思えば、堂々と「理解できません」と表明しなくてはいけないということだ。

だから久しぶりに表明しよう。小生はこの「インセプション」がわかりませんでした。すーっとするな宣言すると。

ターゲットの深層心理・潜在意識・夢の第三層に密かに予見をしのばせて欲しい。そのために皆でまず第一層におり、次に第二層におり、それぞれでありがちなストーリーをでっちあげ、第三層の「嘘」をそれらしくして頂戴というのが全体のストーリーですな。表層的には「このわかりやすいストーリーがガラス細工のようにかみ合い最後にワークする」ということでつじつまを合わせている。ただ、ここに主人公のトラウマ、妻への原罪、二人で降りた虚無の世界(これは地獄のアナロジーにも見えたぞ)、現実ー夢の境界面に突然「ふつ・ふつ」と現れる二人の子供の後ろ姿がイメージとして錯綜するところが複雑でわからない。ただし、種明かしはいらんよ。ボクにはこの映画は盛り込みすぎに思えたから、あとでいくら説明されても、もういいですおなか一杯ですから。

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正直、話が複雑すぎます。ついて行くのがやっとでした。現実の世界の他に、夢うつつの世界が三層構造になっているわけで、最深層に行くのも大変なら、戻っ てくるタイミングを同期させるのも大変。細心の注意を払って見ているつもりでも、つい見逃しているキーポイントがあるようで安心できません。第二層が無重 力になってしまう理由がわからなかった。最初と最後の画面は第何層の世界なの?メメントは複雑でも面白かったが、この映画は解釈する時間すらなくどんどん ストーリーが流れていくので、正直辛かった。

勘のにぶいお馬鹿さんは見なくてイイよと言われているようでしたな。


この映画を面白いと初見で言えるとすれば、余程SF映画慣れているかあるいは気張って見栄を張っているかとしか思えない・・・というと皆さん怒るかな(笑)。

映像美は素晴らしい。特に最も深い第三層limboの世界は主人公のいうところの「記憶に全く頼らない世界の再構築」ということなんだろうがため息がでるほど美しかった。むしろこの映像を見られただけでも小生は幸せだったかもしれない。
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この映画を例えば20歳台で観たとする。すると随分記憶に残る映画になったと思う。小生の20代での実際の映画としては「ブレードランナー」を観たときのような。映画というのは予見無く、なんとなくいきなり出会うのが一番良い。できたら前宣伝など見ないほうが良い。このインセプションはテレビCMもかなり流れているが、安心せよ。あらゆる意味でネタバレにはなっていない。

若者は大いに見に行ったほうがいいぞ、こんな訳のわかんない映画は最近では少ないからな。対してお年寄りはもう飽きたでしょう、この手の映画。もっと他の消化の良い映画にしましょう。


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