2010年12月31日金曜日

ベートーベンを堪能しつつ、ゆく年くる年

夕方5時ころ気が付いたマゼールの連続演奏であるが、実は今もつづいており8曲終わった。昼の一時頃始まったらしい。

小生が聴いたのは6番からである。ついで5番、8番、7番と聴いた。マックにBoseのヘッドフォンをつないで聴いている。背後で家人らが紅白を観ているという構図である。とんでもない演奏と素晴らしい画質に感激している。8番で佳境に達したあとの7番であったが、最終楽章のものずごい速さには胸が高鳴る。最後の曲は9番であるが、これはもう聴かなくてもいいような気がする。あと5分で始まるのだがね。
偶然とはいえ、年末にこんな素晴らしい企画に出会えて幸せな気分で今年は終わる。

いまからでも遅くない。騙されたと思ってHPを訪れてみてほしいなぁ。

ベートーヴェンは凄い!全交響曲連続演奏会2010



マゼールがベートーベンのシンフォニー9曲をネットライブでやっていることに今、気が付いた。


ベートーヴェンは凄い!全交響曲連続演奏会2010」で行われるネット中継だそうだ

一つのイベントで、これだけ色々な方法でネット中継をしてしまうというのは珍しいと思います・・・とあるが
この配信方法の違いというのがさっぱりわからない。なんだかITも大変な時代になっているのだね。

*HD Ustream配信:720p H.264映像+2ch音響

             http://www.ustream.tv/channel/beethoven-2d

*HD 3D Ustream配信:PCや、PCからのHDMI出力を3D TVで表示するためのUstream配信。720p H.264 3D映像+2ch音響

             http://www.ustream.tv/channel/beethoven-3dtv

*スマートフォン用3D Ustream配信:3D表示が可能なスマートフォン用の3D Ustream配信、低解像度3D映像+2ch音響

            http://www.ustream.tv/channel/beethoven-3d

*静止画+高音質Ustream配信:静止画と24bit 48kHzのUstream配信

            http://www.ustream.tv/channel/beethoven-audio

*WMT 1920x1080 3D映像+5.1ch配信:Windows Media PlayerでHD 3D配信を見るためのストリーミング。WMTは5.1チャンネル音響が可能。

          mms://a4a-3d.wide.ad.jp/wmv-3d

* WMT 24bit 96kHz Audio配信:24bit 96kHz 2chの高音質配信。音響のみ。CD品質が16bit 44.1kHzなので、それと比べると量子化粒度が細かい。

          mms://a4a-2496.wide.ad.jp/wma-2496

* WMT 24bit 48kHz Audio配信:24bit 96kHz版と聞き比べるために用意。

         mms://a4a-2448.wide.ad.jp/wma-2448

* WMT 24bit 96kHz Audio IPv4マルチキャスト配信:24bit 96kHz 2chをIPv4マルチキャストで配信。音響のみ

         http://a4a.wide.ad.jp/wmt/2496multi-v4.htm

WMT 24bit 96kHz Audio IPv6マルチキャスト配信:24bit 96kHz 2chをIPv6マルチキャストで配信。音響のみ

        http://a4a.wide.ad.jp/wmt/2496multi-v6.htm

IPv6マルチキャスト:VLCを利用してH.264+5.1ch音響で世界中に向けてマルチキャストされます。

        udp://@[FF7E:140:2001:D30:101:1:8150:3D30]:5555  

2010年12月30日木曜日

よく訪問を受けたページ:ベスト10

このブログのシステムには「統計」といって各ページへの訪問客数を見ることができる装置がある。装置があることに最近気づいた。

当ブログは筆者のメモ代わりだから、臨床、研究、趣味なんでもありなのだが、それ故に構成がむちゃくちゃである。検索エンジンというのは24時間国内のHPやブログを巡回しては、タグを拾いあつめそれぞれのデータベースに取り込んでいる。全くの個人のブログである小生のそれも巡回の対象なのだろう。機械的に検索対象にしているのだろう。機械的であるから中身を診ていない。中身が全くないので、ごめんなさいというページばかり。いろんな所から飛んでこられては、がっかりされる方もまた多いのではないかと思う。


一番おどろいたのは「爪甲剥離症」である。皮膚の専門家でもなんでもない小生のブログであるにもかかわらず、多くのヒトが迷い込まれる。これは「R/Bioconductor」も同じである。この有名な統計処理ソフトを使うのに、なんで小生のページが参考になるのか?面白いなあ。

C型肝炎のIL28多型というのは臨床的に極めて大事であるので興味を持たれる方がいるのはわかる。菊池病にこれほど人気があるとは知らなかった。実に意外なのは糖尿病のCペプチド(CPR)である。素晴らしいページはいっぱいあるのに、なぜ小生のページなのか?サイトメガロのinfectious mononucleosisはマニアックなのに良く読まれているようだ。一番うれしいのはLgr5である。これは大事な分子である。ここ5年で一番大事な生体分子の一つであると思う。

さてさて来年も頑張りましょう!


  1. C型肝炎治療指標となるIL28多型が3報報告された     09/09/21
  2. 爪甲剥離症                      09/01/08
  3. R/Bioconductor                    08/01/08
  4. Oct3/4、Sox2、Klf4、c-Mycはどんな機能を持った遺伝子 07/12/03
  5. 今の日本の分子標的薬剤の薬価・・・          09/11/08
  6. メルカゾールとチラージンを同時に出すか・・?    09/03/06
  7. 亜急性壊死性リンパ節炎(菊池病)          09/09/03
  8. 尿中CPR                     10/02/23
  9. サイトメガロウイルス伝染性単核球症:頚部リンパ節ないんだもの!! 09/02/14
  10. Lgr5のこと                     07/11/29

2010年12月29日水曜日

播種性骨髄癌症:DCBM

先日来診ている前立腺癌の患者殿、貧血(血小板も減少気味)と凝固系異常、さらにはFDPの上昇が認められ、旧来の病態解析からはDICを併発していると言わざる得ない。末梢血に異型細胞はいない。原発巣に比べると骨変化が著しいので骨髄転移からの血液異常だと考えられる。播種性骨髄癌症(たとえば・・・>ここ!)という病態を念頭に置きたい。今はホルモン療法は特別の副作用もなく順調だし、食事も随分食べられるようになっているので、播種性骨髄癌症も注意深く見守るという程度にしよう。

播種性骨髄癌症(Disseminated carcinomatosis of the bone marrow ; DCBM)  DCBMとはすごいね。大陸間弾道弾数発分ありそうな迫力だ。

もうひとつ引用させていただく。47回の癌治療学会の抄録から島根大学の皆さんご寛恕を。

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PS68-08 播種性骨髄癌症で発症した前立腺癌の 2 例
和田 幸弘 1、岸 浩史 1、古家 寛司 1、本田 聡 2 大田市立病院 1、島根大学付属病院泌尿器科 2

播種性骨髄癌症はびまん性の転移浸潤が骨髄に生じ,microangiopathic hemolytic anemia(MHA)やDICにより貧血や出血 傾向を主徴とする病態であるが,今回我々は播種性骨髄癌症を合併した初発前立腺癌の 2 例について報告する.

  1. 症例 1 は 77 歳, 男性.排尿困難,肉眼的血尿が主訴で,血清PSA:14795 ng/mlと高値,MRIで前立腺外腺に内部壊死を伴ったmassを認めるも, 前立腺生検では癌は検出されなかった.骨シンチで全身骨に異常集積を認め,骨髄生検で転移性の腺癌を検出した.MHA や DIC に対して MAP および血小板輸血やメシル酸ガベキサート投与を行い,原疾患に対して MAB 療法およびデキサメサゾン 内服を開始し,骨病変にはゾレドロン酸を投与した.さらに,発熱や頭痛に加えて高ビルルビン血症を認め,神経症状や溶血 性貧血の併発から TTP の合併を疑った.ADAMTS13 活性は 80%より前立腺癌に続発した非定型 TTP と診断した.

  2. 症例 2 は 79歳,男性.主訴は腰部,右股関節痛.血清PSA:11421 ng/mlで骨シンチ上super bone scan像を呈した.前立腺生検でGS: 5+4=9 の低分化前立腺癌を同定し,骨髄生検で PSA 陽性の腺癌を認めた.MHA に対して MAP 輸血を行い,MAB 療法およ びデキサメサゾン,ゾレドロン酸投与を開始した.症例 1 は治療開始 2 ヶ月でホルモン抵抗性となったが,症例 1,2 共に集学 的治療の結果 MHA などの症状は軽快している.
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カカオと野いちごのゲノムがなかよく公開されたよ


The genome of Theobroma cacao

Nature Genetics




Received 10 August 2010 Accepted 01 December 2010 Published online 26 December 2010 We sequenced and assembled the draft genome of Theobroma cacao, an economically important tropical-fruit tree crop that is the source of chocolate. This assembly corresponds to 76% of the estimated genome size and contains almost all previously described genes, with 82% of these genes anchored on the 10 T. cacao chromosomes. Analysis of this sequence information highlighted specific expansion of some gene families during evolution, for example, flavonoid-related genes. It also provides a major source of candidate genes for T. cacao improvement. Based on the inferred paleohistory of the T. cacao genome, we propose an evolutionary scenario whereby the ten T. cacao chromosomes were shaped from an ancestor through eleven chromosome fusions.



The genome of woodland strawberry (Fragaria vesca)





Nature Genetics Received09 June 2010 Accepted02 December 2010 Published online26 December 2010

Abstract

The woodland strawberry, Fragaria vesca (2n = 2x = 14), is a versatile experimental plant system. This diminutive herbaceous perennial has a small genome (240 Mb), is amenable to genetic transformation and shares substantial sequence identity with the cultivated strawberry (Fragaria × ananassa) and other economically important rosaceous plants. Here we report the draft F. vesca genome, which was sequenced to ×39 coverage using second-generation technology, assembled de novo and then anchored to the genetic linkage map into seven pseudochromosomes. This diploid strawberry sequence lacks the large genome duplications seen in other rosids. Gene prediction modeling identified 34,809 genes, with most being supported by transcriptome mapping. Genes critical to valuable horticultural traits including flavor, nutritional value and flowering time were identified. Macrosyntenic relationships between Fragaria and Prunus predict a hypothetical ancestral Rosaceae genome that had nine chromosomes. New phylogenetic analysis of 154 protein-coding genes suggests that assignment of Populus to Malvidae, rather than Fabidae, is warranted.

2010年12月26日日曜日

MAB療法の一月薬価について

カソデックスは1T 1x M (30) として月31462円、これにリュープリン月一回として33041円で合計 65000円弱。
1割で6500円とすると、これは小生が外来癌治療を今現在行っている患者殿のなかでは安価な方である。

それにしてもこの治療が6500円から20000円で受けられるのだから、日本は素晴らしい国であると思う。いや、皆保険のことです。


薬 品 名 規 格 薬 価 後 発 メーカー
カソデックス錠80mg1042.6-アストラゼネカ
ビカルタミド錠80mg「DK」725.2後発ケミファ
ビカルタミド錠80mg「F」725.2後発富士製薬
ビカルタミド錠80mg「KN」769.5後発小林化工
ビカルタミド錠80mg「NK」708.9後発日本化薬
ビカルタミド錠80mg「NP」668.6後発ニプロ
ビカルタミド錠80mg「SN」654.9後発シオノ
ビカルタミド錠80mg「TCK」576後発辰巳
リュープリン注射用1.88
33041武田薬品

リュープリン注射用3.75

46776

2010年12月25日土曜日

カルシウム値の補正

カルシウム値の補正

測定カルシウム値+(4-アルブミン)

 または

測定カルシウム値+0.8×(4.4-アルブミン)

MAB(maximum androgen blockade)療法

今朝から高度進行前立腺がんの患者さんを担当することになった。本日が初診である。ご本人にも奥さんにも、泌尿器外来のそろった、よその病院を強く勧めたのだが、いやですと。こまったなあ。私はまったく専門外ですが・・・・といっても聞いてくれない。外来の泌尿器ドクター(週一来られる)の指導で取りあえずホルモン療法を始めたぞ。PSAが10000を超えているのだ。腰椎もかなり変形している(転移でしょうな)。こまったもんだ。


LH+RHアナログとしてリュープリン

抗アンドロジェンとしてカソデックスを使いなさいとご教示。

これをMAB療法というらしい。

MAB療法(マキシマム・アンドロゲン・ブロケイド)

MAB(maximum androgen blockade)

または

CAB(combined androgen blockade)
療法


このページはがんサポートというHP参照した。

2010年12月24日金曜日

8例目のモンドール病

《2010年12月7日火曜日:今年は少なかったなモンドール。でも7例目が昨日現れる・・・》と先日書いたばかりだが、今年3例目のモンドール病が本日現れた。8例目の患者さんである。

今回は病歴からは全くモンドールを疑わなかった。むしろ実際診察するまでは化膿性乳腺炎だと思っていたからな。
生後2ヶ月の赤ちゃんに授乳中、32歳のお母さんである。4〜5日前から急に左のお乳の縁が痛くなり、赤くなり、しこりが触れるようになったと病歴にある。通常この病歴は典型的な授乳期のうっ滞性の乳腺炎であり、あるいは化膿性乳腺炎のそれである。小生もかつて何回メスをいれたことか・・・。昔ならメスを入れることになんら躊躇はなかったのだが、近年の若いお母さんは気をつかう。正直診察するのがはばかられる。なんとか最小限の創で・・・とか考えて診察に臨んだのだが、違うのである。これは乳腺炎ではない。典型的なモンドールなんだな。

良かった。この人も自分で痛いしこりといっている部分から上下に10cm近く静脈炎が伸びている。「触ってご覧なさい、わかるでしょ」と指を添えてガイドしてあげてみる。なんといってもほっといて良いので助かるのである。余りに痛いときのためにコカール(アセトアミノフェン)を頓服で処方した。念のため年明け10日に再来してね、といったがおそらく来ないであろう。きっと来ないであろう。

患者がある集団に固まる傾向・・・というのはどんな医者にもあるのだろうが、小生のこの12月は妊婦やら授乳中の20代のお母さんがとにかく多かった。薬が余り野放図に出せないので本当に困るのだな。ほとんど治療薬の要らない病気は助かる。

2010年12月22日水曜日

Baker嚢胞:二週間で二例もやってきた

体表にできる病変で「見た瞬間病名が浮かぶ」ものを知っておかなければならない。皮膚科を含めるとそれこそ無限にあるのだろうが、いわゆる皮膚科や先天性奇形は除こう。ある程度の頻度がなくてはならない。一生に一回もお目にかからないようなものを知っていてもしょうがないからね。

    









Baker嚢胞は覚えておいて損はない病気の一つであると思った。これは膝の後面皮下に柔らか
い饅頭が触れるような感じで外来に現れる。実はこの二週間で2人も見ることになった。整形外科やリュウマチ膠原病内科ではありふれた病態なのだろうと想像するが、それ以外の科では、いきなり見せられても「???」であろう。実際初めは
「???」だった。

1人目の患者のそれは数ヶ月前に気が付いたという。徐々に大きくなっている。2人目は2週間で急に大きくなってきている。皮膚の変化はない。炎症所見もこの2人にはない。最初は脂肪腫だと思った。しかしエコーをすると脂肪でないことがわかる。境界は極めて明瞭であるから悪性であるとは思わない。しかし嚢胞とは直ぐには気が付かなかった。このあたりでBaker嚢胞のことをちらりと思い出す。でもあれはリューマチがらみではなかったか・・・??曖昧な知識である。これはいかん。






エコーの技師は「膝
動脈瘤」かもしれないよ・・・なんてワシを脅す。拍動の「は」もないのに。で、このあたりで教科書を読んでみた。
やはり
Baker嚢胞がもっとも考えやすい。MRIを撮ることにした。MRIの所見で大事なのは後方の(つまり膝関節との)関係である。つながっているのである。

膝窩部に、隔壁を有する多房性腫瘤を認める。T1WIにて均一な低信号、T2WIにて均一な高信号を呈し、嚢胞性腫瘤と考えられる。関節液が少量貯留した関節腔との連続性が認められ、ベーカー嚢胞の所見と考える。











変形性関節症やリウマチ性の関節炎などで起こることが多いという。私が診た患者は先行疾患はなさそうであったから特発性もあるのだろう。






Baker嚢胞はこれは膝嚢胞とも呼ばれる。関節液が後方にせり出してくるのを包む袋と考えたらよろしい。ところでこれに極めてよく似た病態を我々はしばしば見るのだ。ガングリオンである。小生の外来にも月に1人はガングリオンの患者が来るよ。手関節より末梢でしか見たことがないが、穿刺液は決まってゼリーである。上記患者の穿刺液は水様であったが、ガングリオンとBaker嚢胞に本質的な違いがあるのであろうか?


  画像の一部は飯塚病院放射線科のHPから引用させていただいた。

       http://aih-net.com/medical/depart/housya/housya_top.htm



2010年12月19日日曜日

PIK3CAはどれくらいの変異率か?

少し古いデータであるがPIK3CAはどれくらいの変異率かノートしておこう。2006年のBrit J Cancerである。

Minireview

British Journal of Cancer (2006) 94, 455–459.
Published online 31 January 2006

Mutation of the PIK3CA oncogene in human cancers

B Karakas1, K E Bachman2 and B H Park1

たった4年前であるが deep sequencingあるいはre-sequencingの前のデータであり、そう言う意味では古いのだ。いずれre-sequencing後のデータを付加した最新の表を作りたいね。

全体では15%(382/2551)である。15%の変異率というのはこの世界では充分高いのである。

頻度が高いのは肝臓癌(但し報告数も解析数も少ないので確定ではない)の35.6% (26/73)

以下・・・・・
  1. 乳癌     26% (195/750)(これは信頼性が極めて高い。10報告有り。ほとんどの報告が20%以上の変異率)
  2. 大腸癌  25% (94/369)(3報告である。最低でも13.6%であるから15%はあると思える)
  3. 卵巣癌  9% (35/380) (こんなもんであろう)
  4. 胃癌      7% (24/338) (4報告あり。大きなスタディでは4〜6%であるから、まあ5%が変異率であろう)
一方肺癌では変異が認められない。lung 2% (4/253)であり、この4例は例外的と見たほうが良さそうである。

2010年12月17日金曜日

髄芽腫の突然変異数は平均11個:Vogelsteinのサイエンス

最近脳腫瘍に関する分子遺伝学の報告が多い。グリオブラストーマのCNVと突然変異の話、つい最近ではNatureの腫瘍血管と癌幹細胞の話(あっこれもglioblastomaであった)そして今回のサイエンスの髄芽腫である。髄芽腫を六行でまとめると・・・・

髄芽腫 medulloblastoma

  • 小児の小脳虫部に好発し、第四脳室に浸潤し脳脊髄液を介して脊髄に転移するため極めて悪性度が高い。 近年になってようやく5年生存率が50%にまで上昇した。
  • 病理所見 :Homer-Wright型rosette
  • 治療:腫瘍摘出術を行ない、術後に全脳および全脊髄への放射線照射とともに化学療法を行なう。
今回Vogelsteinグループの研究は
  1. CDSの全シークエンス
  2. アレイによるCNV(CNA)
  3. miRNA (これはVogelsteinとしては珍しいのでは・・・・?)


興味深いのはこれまで乳癌、大腸癌、膵癌で一腫瘍平均70個内外の突然変異を見出していたのに対し、この小児脳腫瘍では平均11個の突然変異しか認めなかったこと及びヒストンのメチル化遺伝子であるMLL2 あるいはMLL3が16%に変異していたことである。


Published Online 16 December 2010
Science DOI: 10.1126/science.1198056

Research Article

The Genetic Landscape of the Childhood Cancer Medulloblastoma

D. Williams Parsons1,2,*, Meng Li1,*・・・・・, Nick Papadopoulos1, Bert Vogelstein1,‡, Kenneth W. Kinzler1,‡ and Victor E. Velculescu1,‡

Abstract

Medulloblastoma (MB) is the most common malignant brain tumor of children. To identify the genetic alterations in this tumor type, we searched for copy number alterations using high-density microarrays and sequenced all known protein-coding genes and miRNA genes using Sanger sequencing in a set of 22 MBs. We found that, on average, each tumor had 11 gene alterations, 5 to 10 times fewer than in the adult solid tumors that have been sequenced to date. In addition to alterations in the Hedgehog and Wnt pathways, our analysis led to the discovery of genes not previously known to be altered in MBs. Most notably, inactivating mutations of the histone-lysine N-methyltransferase genes MLL2 or MLL3 were identified in 16% of MB patients. These results demonstrate key differences between the genetic landscapes of adult and childhood cancers, highlight dysregulation of developmental pathways as an important mechanism underlying MBs, and identify a role for a specific type of histone methylation in human tumorigenesis.


マクロアミラーゼ血症とは何ですか?

腰椎圧迫骨折の患者でアミラーゼが高値の方がいる。入院以来500〜700を行ったり来たり。腹部症状や耳下腺症状は認められない。このアミラーゼ、分画を調べてもP型、S型の弁別ができない。判定不能との結果である。これをマクロアミラーゼ血症というらしい。

以下CRCのHPより引用した。

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マクロアミラーゼ血症とは何ですか?

アミラーゼはでんぷんを分解して糖をつくり出す消化酵素で、主に膵臓や唾液腺から分泌されます。アイソザイムでは膵臓から分泌されるP型と唾液腺から分泌されるS型の2種類があります。ヤケ食いやドカ食いをすると大量の食物を消化するため、膵臓から大量の消化酵素が分泌され、膵臓が自己消化を始めてしまうのが急性膵炎です。急性膵炎になると患者は上腹部に激痛を覚え、苦悶します。急性膵炎では、発症後24時間以内に血中に急速にP型アミラーゼが上昇、時間の経 過とともに尿中に移行し、回復すれば数日で基準範囲に戻るのが一般的です。

ところが、暴飲暴食もせず、腹痛などの自覚症状もないのに血液検査でアミラーゼが高値となる人がいます。アミラーゼにはマクロ型といって分子が巨大化した変り種があり、マクロアミラーゼ血症といいます。全人口の0.1〜0.2%、高アミラーゼ血症の人の0.5〜2.5%にみられます。マクロアミラーゼとはアミラーゼに免疫グロブリン(IgAやIgG)がくっついたものです。分子が巨大化したため、腎臓(糸球体)を容易に通過できなくなり、血中アミラーゼが高値になります。一方、尿中アミラーゼは異常低値となります。

マクロアミラーゼと疾患との間に明確な因果関係はなく、健常者にもみられ、臨床的意義はありません。膠原病、潰瘍性大腸炎、クローン病、肝機能障害、糖尿病、悪性腫瘍などの疾患で比較的高率に検出されるという報告がありますが、良性の現象で治療が要らないため、血清アミラーゼ検査で経過観察します。アミラーゼと結合する免疫グロブリンを同定する必要もありません。
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ほったらかしているけど、それで良かったのだね。

2010年12月16日木曜日

「頸椎症」の簡単な自己診断法

「頸椎症」の簡単な自己診断法

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●10秒テスト:

「両手を前方に挙げて肩の高さに保ち、10秒間に手のひらを何回開閉できるか?」
頸椎症にかかると腕の筋肉の制御がままならなくなる。
25回以上・・・・・・正常
20〜24回・・・・・・軽度の頸椎症の疑い
19回以下・・・・・・重度の頸椎症の疑い

「片足ジャンプ」→3回続けてスムーズに出来れば正常

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以上のようなテストがあるそうだ。頑張ってやれば60回くらいはまだできるな。

爪の下の有痛性腫瘍:グロームス腫瘍

左手4指の爪の下に赤い小さな結節があるヒトがやってきた。爪下血腫ではない。「痛いですか?」「めちゃ痛いです」というわけでグロームス腫瘍の可能性が大きいね。グロームス腫瘍はそんなによく見る病気ではないはずだけど、ボクはこれまで2例みたぞ。

一例は30年くらい前に山の中のさる病院で経験。膝の横に出来た5mm位の皮下腫瘤だった。痛いので取ってくれとのことで取った。恥ずかしながらその当時は肉眼的にも病理は全く興味がなかった(というか知らなかった)が一月後に再度その病院を訪れたとき見た病理報告書(もちろん当時の小生であっても病理を提出するくらいの常識はあったのだ)で「グロームス腫瘍」という病気があることを初めて知ったのだ。変わった名前の病気だなあと思った。それだけ。だけど忘れられないのだね、病気は一回経験すると。

二回目は大学にいたとき、胃のグロームスという極めて希な病態に出くわした。

だから教科書的に書いてあるauthenticなordinary typeのグロームスには初めて出くわすことになるかもしれない。病理はどうだろうね。

爪下グロームス腫瘍でネットを調べるととんでもないページがあるのだね。「私もグロームス」「ボクもです」とグロームスの集会みたいなページでした。

2010年12月15日水曜日

モンドールの再来

本日の外来にモンドールおばさんが再来した。一年ぶりであり今日は乳癌の検診である。

「例の痛む筋はどうなりましたか?」
「あっあれね。先生のおっしゃ通りしばらくして消えたわ」
「一月くらいかかりました?」
「いや、2月くらいかかったわよ」とのことであった。

触診したのだが、カルテに記載した場所には何も触れるものがない。この方は、記録よるとthrombophlebitusは上腹部から左乳腺外側を通って腋まで伸びていた。乳癌検診ではなにもない。めでたしめでたしであった。この方は平成21年12月17日の5例目のヒトである。

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2009年12月17日木曜日

一年で5例目のモンドール病(乳腺血栓性静脈炎)

今年の2月に半年で4例目のモンドール病を診たと書いて以来、久しく診なかったモンドールに昨日出くわした。


2010年12月14日火曜日

様々な癌腫の変異リスト:関連する参考文献

8月に出た癌の突然変異:様々な癌腫の変異リスト・・この論文に関連する参考文献としてnature誌が挙げた50編の論文リストをノートしておく。




Diverse somatic mutation patterns and pathway alterations in human cancers

Nature  Volume:466, Pages:869–873 Date published:(12 August 2010)

  1. Somatic mutations affect key pathways in lung adenocarcinoma

    Nature 455, 1069–1075 (2008) 10.1038/nature07423

  2. Advances in understanding cancer genomes through second-generation sequencing

    • Matthew Meyerson,
    • Stacey Gabriel
    • & Gad Getz

    Nature Reviews Genetics 11, 685–696 (2010) 10.1038/nrg2841

  3. The mutation spectrum revealed by paired genome sequences from a lung cancer patient

    • William Lee,
    • Zhaoshi Jiang,
    • Jinfeng Liu,
    • Peter M. Haverty,
    • Yinghui Guan,
    • Jeremy Stinson
    • Peng Yue,
    • Yan Zhang,
    • Krishna P. Pant,
    • Deepali Bhatt,
    • Connie Ha,
    • Stephanie Johnson,
    • Michael I. Kennemer,
    • Sankar Mohan,
    • Igor Nazarenko,
    • Colin Watanabe,
    • Andrew B. Sparks,
    • David S. Shames,
    • Robert Gentleman,
    • Frederic J. de Sauvage,
    • Howard Stern,
    • Ajay Pandita,
    • Dennis G. Ballinger,
    • Radoje Drmanac,
    • Zora Modrusan,

    Nature 465, 473–477 (2010) 10.1038/nature09004

  4. Genome remodelling in a basal-like breast cancer metastasis and xenograft

    • Li Ding,
    • Matthew J. Ellis,
    • Shunqiang Li,
    • David E. Larson,
    • Ken Chen,
    • John W. Wallis
    • Christopher C. Harris,
    • Michael D. McLellan,
    • Robert S. Fulton,
    • Lucinda L. Fulton,
    • Rachel M. Abbott,
    • Jeremy Hoog,
    • David J. Dooling,
    • Daniel C. Koboldt,
    • Heather Schmidt,
    • Joelle Kalicki,
    • Qunyuan Zhang,
    • Lei Chen,
    • Ling Lin,
    • Michael C. Wendl,
    • Joshua F. McMichael,
    • Vincent J. Magrini,
    • Lisa Cook,
    • Sean D. McGrath,
    • Tammi L. Vickery,
    • Elizabeth Appelbaum,
    • Katherine DeSchryver,
    • Sherri Davies,
    • Therese Guintoli,
    • Li Lin,
    • Robert Crowder,
    • Yu Tao,
    • Jacqueline E. Snider,
    • Scott M. Smith,
    • Adam F. Dukes,
    • Gabriel E. Sanderson,
    • Craig S. Pohl,
    • Kim D. Delehaunty,
    • Catrina C. Fronick,
    • Kimberley A. Pape,
    • Jerry S. Reed,
    • Jody S. Robinson,
    • Jennifer S. Hodges,
    • William Schierding,
    • Nathan D. Dees,
    • Dong Shen,
    • Devin P. Locke,
    • Madeline E. Wiechert,
    • James M. Eldred,
    • Josh B. Peck,
    • Benjamin J. Oberkfell,
    • Justin T. Lolofie,
    • Feiyu Du,
    • Amy E. Hawkins,
    • Michelle D. O’Laughlin,
    • Kelly E. Bernard,
    • Mark Cunningham,
    • Glendoria Elliott,
    • Mark D. Mason,
    • Dominic M. Thompson Jr,
    • Jennifer L. Ivanovich,
    • Paul J. Goodfellow,
    • Charles M. Perou,
    • George M. Weinstock,
    • Rebecca Aft,
    • Mark Watson,
    • Timothy J. Ley,

    Nature 464, 999–1005 (2010) 10.1038/nature08989

  5. Comprehensive genomic characterization defines human glioblastoma genes and core pathways

    Nature 455, 1061–1068 (2008) 10.1038/nature07385

  6. Patterns of somatic mutation in human cancer genomes

    • Christopher Greenman,
    • Philip Stephens,
    • Raffaella Smith,
    • Gillian L. Dalgliesh,
    • Christopher Hunter,
    • Graham Bignell
    • Helen Davies,
    • Jon Teague,
    • Adam Butler,
    • Claire Stevens,
    • Sarah Edkins,
    • Sarah O’Meara,
    • Imre Vastrik,
    • Esther E. Schmidt,
    • Tim Avis,
    • Syd Barthorpe,
    • Gurpreet Bhamra,
    • Gemma Buck,
    • Bhudipa Choudhury,
    • Jody Clements,
    • Jennifer Cole,
    • Ed Dicks,
    • Simon Forbes,
    • Kris Gray,
    • Kelly Halliday,
    • Rachel Harrison,
    • Katy Hills,
    • Jon Hinton,
    • Andy Jenkinson,
    • David Jones,
    • Andy Menzies,
    • Tatiana Mironenko,
    • Janet Perry,
    • Keiran Raine,
    • Dave Richardson,
    • Rebecca Shepherd,
    • Alexandra Small,
    • Calli Tofts,
    • Jennifer Varian,
    • Tony Webb,
    • Sofie West,
    • Sara Widaa,
    • Andy Yates,
    • Daniel P. Cahill,
    • David N. Louis,
    • Peter Goldstraw,
    • Andrew G. Nicholson,
    • Francis Brasseur,
    • Leendert Looijenga,
    • Barbara L. Weber,
    • Yoke-Eng Chiew,
    • Anna deFazio,
    • Mel F. Greaves,
    • Anthony R. Green,
    • Peter Campbell,
    • Ewan Birney,
    • Douglas F. Easton,
    • Georgia Chenevix-Trench,
    • Min-Han Tan,
    • Sok Kean Khoo,
    • Bin Tean Teh,
    • Siu Tsan Yuen,
    • Suet Yi Leung,
    • Richard Wooster,

    Nature 446, 153–158 (2007) 10.1038/nature05610

  7. An integrated genomic analysis of lung cancer reveals loss of DUSP4 in EGFR-mutant tumors

    • D Chitale,
    • Y Gong,
    • B S Taylor,
    • S Broderick,
    • C Brennan,
    • R Somwar
    • B Golas,
    • L Wang,
    • N Motoi,
    • J Szoke,
    • J M Reinersman,
    • J Major,
    • C Sander,
    • V E Seshan,
    • M F Zakowski,
    • V Rusch,
    • W Pao,

    Oncogene 28, 2773–2783 (2009) 10.1038/onc.2009.135

  8. The GPCR-cancer connection

    • Joanne Kotz

    Science-Business eXchange 3 (2010) 10.1038/scibx.2010.942

  9. The cancer genome

    • Michael R. Stratton,
    • Peter J. Campbell
    • & P. Andrew Futreal

    Nature 458, 719–724 (2009) 10.1038/nature07943

  10. High-resolution mapping of copy-number alterations with massively parallel sequencing

    • Derek Y Chiang,
    • Gad Getz,
    • David B Jaffe,
    • Michael J T O'Kelly,
    • Xiaojun Zhao,
    • Scott L Carter
    • Carsten Russ,
    • Chad Nusbaum,

    Nature Methods 6, 99–103 (2008) 10.1038/nmeth.1276

  11. A comprehensive catalogue of somatic mutations from a human cancer genome

    • P. Andrew Futreal
    • Michael R. Stratton

    Nature 463, 191–196 (2009) 10.1038/nature08658

  12. Genomic characterization of asymtpomatic CT-detected lung cancers

    • E Belloni,
    • G Veronesi,
    • C Micucci,
    • S Javan,
    • S P Minardi,
    • E Venturini
    • P Maisonneuve,
    • S Volorio,
    • M Riboni,
    • M Bellomi,
    • P Scanagatta,
    • G Taliento,
    • G Pelosi,
    • S Pece,

    Oncogene (2010) 10.1038/onc.2010.478

  13. A census of human cancer genes

    • P. Andrew Futreal,
    • Lachlan Coin,
    • Mhairi Marshall,
    • Thomas Down,
    • Timothy Hubbard,
    • Richard Wooster

    Nature Reviews Cancer 4, 177–183 (2004) 10.1038/nrc1299

  14. Chromosomally unstable mouse tumours have genomic alterations similar to diverse human cancers

    • Richard S. Maser,
    • Bhudipa Choudhury,
    • Peter J. Campbell,
    • Bin Feng,
    • Kwok-Kin Wong,
    • Alexei Protopopov
    • Jennifer O’Neil,
    • Alejandro Gutierrez,
    • Elena Ivanova,
    • Ilana Perna,
    • Eric Lin,
    • Vidya Mani,
    • Shan Jiang,
    • Kate McNamara,
    • Sara Zaghlul,
    • Sarah Edkins,
    • Claire Stevens,
    • Cameron Brennan,
    • Eric S. Martin,
    • Ruprecht Wiedemeyer,
    • Omar Kabbarah,
    • Cristina Nogueira,
    • Gavin Histen,
    • Jon Aster,
    • Marc Mansour,
    • Veronique Duke,
    • Letizia Foroni,
    • Adele K. Fielding,
    • Anthony H. Goldstone,
    • Jacob M. Rowe,
    • Yaoqi A. Wang,
    • A. Thomas Look,
    • Michael R. Stratton,
    • Lynda Chin,

    Nature 447, 966–971 (2007) 10.1038/nature05886

  15. Mutated genes, pathways and processes in tumours

    • Anaïs Baudot,
    • Victor de la Torre
    • & Alfonso Valencia

    EMBO reports 11, 805–810 (2010) 10.1038/embor.2010.133

  16. Somatic mutations altering EZH2 (Tyr641) in follicular and diffuse large B-cell lymphomas of germinal-center origin

    • Ryan D Morin,
    • Nathalie A Johnson,
    • Tesa M Severson,
    • Andrew J Mungall,
    • Jianghong An,
    • Rodrigo Goya
    • Jessica E Paul,
    • Merrill Boyle,
    • Bruce W Woolcock,
    • Florian Kuchenbauer,
    • Damian Yap,
    • R Keith Humphries,
    • Obi L Griffith,
    • Sohrab Shah,
    • Henry Zhu,
    • Michelle Kimbara,
    • Pavel Shashkin,
    • Jean F Charlot,
    • Marianna Tcherpakov,
    • Richard Corbett,
    • Angela Tam,
    • Richard Varhol,
    • Duane Smailus,
    • Michelle Moksa,
    • Yongjun Zhao,
    • Allen Delaney,
    • Hong Qian,
    • Inanc Birol,
    • Jacqueline Schein,
    • Richard Moore,
    • Robert Holt,
    • Doug E Horsman,
    • Joseph M Connors,
    • Steven Jones,
    • Samuel Aparicio,
    • Martin Hirst,

    Nature Genetics 42, 181–185 (2010) 10.1038/ng.518

  17. ERG rearrangement is specific to prostate cancer and does not occur in any other common tumor

    • Veit J Scheble,
    • Martin Braun,
    • Rameen Beroukhim,
    • Craig H Mermel,
    • Christian Ruiz,
    • Theresia Wilbertz
    • Ann-Cathrin Stiedl,
    • Karen Petersen,
    • Markus Reischl,
    • Rainer Kuefer,
    • David Schilling,
    • Falko Fend,
    • Glen Kristiansen,
    • Matthew Meyerson,
    • Mark A Rubin,

    Modern Pathology 23, 1061–1067 (2010) 10.1038/modpathol.2010.87

  18. Detailed computational study of p53 and p16: using evolutionary sequence analysis and disease-associated mutations to predict the functional consequences of allelic variants

    • M S Greenblatt,
    • J G Beaudet,
    • J R Gump,
    • K S Godin,
    • L Trombley,
    • J Koh

    Oncogene 22, 1150–1163 (2003) 10.1038/sj.onc.1206101

  19. Subtype-specific genomic alterations define new targets for soft-tissue sarcoma therapy

    • Jordi Barretina,
    • Barry S Taylor,
    • Shantanu Banerji,
    • Alexis H Ramos,
    • Mariana Lagos-Quintana,
    • Penelope L DeCarolis
    • Kinjal Shah,
    • Nicholas D Socci,
    • Barbara A Weir,
    • Alan Ho,
    • Derek Y Chiang,
    • Boris Reva,
    • Craig H Mermel,
    • Gad Getz,
    • Yevgenyi Antipin,
    • Rameen Beroukhim,
    • John E Major,
    • Charles Hatton,
    • Richard Nicoletti,
    • Megan Hanna,
    • Ted Sharpe,
    • Tim J Fennell,
    • Kristian Cibulskis,
    • Robert C Onofrio,
    • Tsuyoshi Saito,
    • Neerav Shukla,
    • Christopher Lau,
    • Sven Nelander,
    • Serena J Silver,
    • Carrie Sougnez,
    • Agnes Viale,
    • Wendy Winckler,
    • Robert G Maki,
    • Levi A Garraway,
    • Alex Lash,
    • Heidi Greulich,
    • David E Root,
    • William R Sellers,
    • Gary K Schwartz,
    • Cristina R Antonescu,
    • Eric S Lander,
    • Harold E Varmus,
    • Marc Ladanyi,
    • Chris Sander,

    Nature Genetics 42, 715–721 (2010) 10.1038/ng.619

  20. Not applicable

    Science-Business eXchange 3 (2010) 10.1038/scibx.2010.917

  21. Signatures of mutation and selection in the cancer genome

    • Graham R. Bignell
    • P. Andrew Futreal
    • Michael R. Stratton

    Nature 463, 893–898 (2010) 10.1038/nature08768

  22. 1p36 is a preferential target of chromosome 1 deletions in astrocytic tumours and homozygously deleted in a subset of glioblastomas

    • K Ichimura,
    • A P Vogazianou,
    • L Liu,
    • D M Pearson,
    • L M Bäcklund,
    • K Plant
    • K Baird,
    • C F Langford,

    Oncogene 27, 2097–2108 (2007) 10.1038/sj.onc.1210848

  23. Somatic mutations of the Parkinson's disease–associated gene PARK2 in glioblastoma and other human malignancies

    • Selvaraju Veeriah,
    • Barry S Taylor,
    • Shasha Meng,
    • Fang Fang,
    • Emrullah Yilmaz,
    • Igor Vivanco
    • Manickam Janakiraman,
    • Nikolaus Schultz,
    • Aphrothiti J Hanrahan,
    • William Pao,
    • Marc Ladanyi,
    • Chris Sander,
    • Adriana Heguy,
    • Eric C Holland,
    • Philip B Paty,
    • Paul S Mischel,
    • Linda Liau,
    • Timothy F Cloughesy,
    • Ingo K Mellinghoff,

    Nature Genetics 42, 77–82 (2009) 10.1038/ng.491

  24. Mitochondrial mutations in hepatocellular carcinomas and fibrolamellar carcinomas

    • Perumal Vivekanandan,
    • Hubert Daniel,
    • Matthew M Yeh
    • & Michael Torbenson

    Modern Pathology 23, 790–798 (2010) 10.1038/modpathol.2010.51

  25. Genomic profiling of high-risk acute lymphoblastic leukemia

    • J R Collins-Underwood
    • & C G Mullighan

    Leukemia 24, 1676–1685 (2010) 10.1038/leu.2010.177

  26. The Induction of Mutations by a Carcinogen

    • L C Strong

    British Journal of Cancer 3, 97–108 (1949) 10.1038/bjc.1949.12

  27. Identification of target genes in laryngeal squamous cell carcinoma by high-resolution copy number and gene expression microarray analyses

    • A-K Järvinen,
    • R Autio,
    • S Haapa-Paananen,
    • M Wolf,
    • M Saarela,
    • R Grénman
    • I Leivo,
    • O Kallioniemi,

    Oncogene 25, 6997–7008 (2006) 10.1038/sj.onc.1209690

  28. No evidence of clonal somatic genetic alterations in cancer-associated fibroblasts from human breast and ovarian carcinomas

    • Wen Qiu,
    • Min Hu,
    • Anita Sridhar,
    • Ken Opeskin,
    • Stephen Fox,
    • Michail Shipitsin
    • Melanie Trivett,
    • Ella R Thompson,
    • Manasa Ramakrishna,
    • Kylie L Gorringe,
    • Kornelia Polyak,

    Nature Genetics 40, 650–655 (2008) 10.1038/ng.117

  29. Disruption of Brca2 increases the spontaneous mutation rate in vivo: synergism with ionizing radiation

    • Andrew N.J. Tutt,
    • Conny Th.M. van Oostrom,
    • Gillian M. Ross,
    • Harry van Steeg
    • & Alan Ashworth

    EMBO reports 3, 255–260 (2002) 10.1093/embo-reports/kvf037

  30. International network of cancer genome projects

    Nature 464, 993–998 (2010) 10.1038/nature08987

  31. Characterization of candidate gene copy number alterations in the 11q13 region along with BRAF and NRAS mutations in human melanoma

    • Viktória Lázár
    • Szilvia Ecsedi
    • Attila G Szöllősi
    • Réka Tóth
    • Laura Vízkeleti
    • Zsuzsa Rákosy
    • Ágnes Bégány
    • Róza Ádány
    • Margit Balázs

    Modern Pathology 22, 1367–1378 (2009) 10.1038/modpathol.2009.109

  32. DNA copy number aberrations in small-cell lung cancer reveal activation of the focal adhesion pathway

    • S Ocak,
    • H Yamashita,
    • A R Udyavar,
    • A N Miller,
    • A L Gonzalez,
    • Y Zou
    • A Jiang,
    • Y Yi,
    • Y Shyr,
    • L Estrada,

    Oncogene 29, 6331–6342 (2010) 10.1038/onc.2010.362

  33. Antibody diversification by somatic mutation: from Burnet onwards

    • Michael S Neuberger

    Immunology and Cell Biology 86, 124–132 (2008) 10.1038/sj.icb.7100160

  34. The pattern of natural selection in somatic cancer mutations of human mtDNA

    • Pete Stafford
    • & Estella B Chen-Quin

    Journal of Human Genetics 55, 605–612 (2010) 10.1038/jhg.2010.76

  35. Mutation of the PIK3CA oncogene in human cancers

    • B Karakas,
    • K E Bachman
    • & B H Park

    British Journal of Cancer 94, 455–459 (2006) 10.1038/sj.bjc.6602970

  36. Mutational evolution in a lobular breast tumour profiled at single nucleotide resolution

    • Sohrab P. Shah,
    • Ryan D. Morin,
    • Jaswinder Khattra,
    • Leah Prentice,
    • Trevor Pugh,
    • Angela Burleigh
    • Allen Delaney,
    • Karen Gelmon,
    • Ryan Guliany,
    • Janine Senz,
    • Christian Steidl,
    • Robert A. Holt,
    • Steven Jones,
    • Mark Sun,
    • Gillian Leung,
    • Richard Moore,
    • Tesa Severson,
    • Greg A. Taylor,
    • Andrew E. Teschendorff,
    • Kane Tse,
    • Gulisa Turashvili,
    • Richard Varhol,
    • René L. Warren,
    • Peter Watson,
    • Yongjun Zhao,
    • Carlos Caldas,
    • David Huntsman,
    • Martin Hirst,

    Nature 461, 809–813 (2009) 10.1038/nature08489

  37. Somatic EGFR mutations and efficacy of tyrosine kinase inhibitors in NSCLC

    • Helena Linardou,
    • Issa J. Dahabreh,
    • Dimitrios Bafaloukos,
    • Paris Kosmidis
    • & Samuel Murray

    Nature Reviews Clinical Oncology 6, 352–366 (2009) 10.1038/nrclinonc.2009.62

  38. Refining the relation between ‘first hits’ and ‘second hits’ at the APC locus: the ‘loose fit’ model and evidence for differences in somatic mutation spectra among patients

    • Michael Crabtree,
    • Oliver M Sieber,
    • Lara Lipton,
    • Shirley V Hodgson,
    • Hanan Lamlum,
    • Hunu J W Thomas
    • Kay Neale,
    • Robin K S Phillips,

    Oncogene 22, 4257–4265 (2003) 10.1038/sj.onc.1206471

  39. From cancer genomes to cancer models: bridging the gaps

    • Anaïs Baudot,
    • Francisco X. Real,
    • José M. G. Izarzugaza
    • & Alfonso Valencia

    EMBO reports 10, 359–366 (2009) 10.1038/embor.2009.46

  40. BCR–ABL1 lymphoblastic leukaemia is characterized by the deletion of Ikaros

    • Charles G. Mullighan,
    • Christopher B. Miller,
    • Ina Radtke,
    • Letha A. Phillips,
    • James Dalton,
    • Jing Ma
    • Deborah White,
    • Timothy P. Hughes,
    • Michelle M. Le Beau,
    • Ching-Hon Pui,
    • Mary V. Relling,

    Nature 453, 110–114 (2008) 10.1038/nature06866

  41. Mitochondrial mutations in cancer

    • M Brandon
    • P Baldi
    • D C Wallace

    Oncogene 25, 4647–4662 (2006) 10.1038/sj.onc.1209607

  42. Molecular and cellular aspects of HTLV-1 associated leukemogenesis in vivo

    • F Mortreux,
    • A-S Gabet
    • & E Wattel

    Leukemia 17, 26–38 (2002) 10.1038/sj.leu.2402777

  43. The landscape of somatic copy-number alteration across human cancers

    • Rameen Beroukhim,
    • Craig H. Mermel,
    • Dale Porter,
    • Guo Wei,
    • Soumya Raychaudhuri,
    • Jerry Donovan
    • Jordi Barretina,
    • Jesse S. Boehm,
    • Jennifer Dobson,
    • Mitsuyoshi Urashima,
    • Kevin T. Mc Henry,
    • Reid M. Pinchback,
    • Azra H. Ligon,
    • Yoon-Jae Cho,
    • Leila Haery,
    • Heidi Greulich,
    • Michael Reich,
    • Wendy Winckler,
    • Michael S. Lawrence,
    • Barbara A. Weir,
    • Kumiko E. Tanaka,
    • Derek Y. Chiang,
    • Adam J. Bass,
    • Alice Loo,
    • Carter Hoffman,
    • John Prensner,
    • Ted Liefeld,
    • Qing Gao,
    • Derek Yecies,
    • Sabina Signoretti,
    • Elizabeth Maher,
    • Frederic J. Kaye,
    • Hidefumi Sasaki,
    • Joel E. Tepper,
    • Jonathan A. Fletcher,
    • Josep Tabernero,
    • José Baselga,
    • Ming-Sound Tsao,
    • Francesca Demichelis,
    • Mark A. Rubin,
    • Pasi A. Janne,
    • Mark J. Daly,
    • Carmelo Nucera,
    • Ross L. Levine,
    • Benjamin L. Ebert,
    • Stacey Gabriel,
    • Anil K. Rustgi,
    • Cristina R. Antonescu,
    • Marc Ladanyi,
    • Anthony Letai,
    • Levi A. Garraway,
    • Massimo Loda,
    • David G. Beer,
    • Lawrence D. True,
    • Aikou Okamoto,
    • Scott L. Pomeroy,
    • Samuel Singer,
    • Todd R. Golub,
    • Eric S. Lander,
    • Gad Getz,

    Nature 463, 899–905 (2010) 10.1038/nature08822

  44. The molecular pathology of cancer

    • Timothy J. R. Harris
    • & Frank McCormick

    Nature Reviews Clinical Oncology 7, 251–265 (2010) 10.1038/nrclinonc.2010.41

  45. DNA sequencing of a cytogenetically normal acute myeloid leukaemia genome

    • Timothy J. Ley,
    • Elaine R. Mardis,
    • Li Ding,
    • Bob Fulton,
    • Michael D. McLellan,
    • Ken Chen
    • David Dooling,
    • Brian H. Dunford-Shore,
    • Sean McGrath,
    • Matthew Hickenbotham,
    • Lisa Cook,
    • Rachel Abbott,
    • David E. Larson,
    • Dan C. Koboldt,
    • Craig Pohl,
    • Scott Smith,
    • Amy Hawkins,
    • Scott Abbott,
    • Devin Locke,
    • LaDeana W. Hillier,
    • Tracie Miner,
    • Lucinda Fulton,
    • Vincent Magrini,
    • Todd Wylie,
    • Jarret Glasscock,
    • Joshua Conyers,
    • Nathan Sander,
    • Xiaoqi Shi,
    • John R. Osborne,
    • Patrick Minx,
    • David Gordon,
    • Asif Chinwalla,
    • Yu Zhao,
    • Rhonda E. Ries,
    • Jacqueline E. Payton,
    • Peter Westervelt,
    • Michael H. Tomasson,
    • Mark Watson,
    • Jack Baty,
    • Jennifer Ivanovich,
    • Sharon Heath,
    • William D. Shannon,
    • Rakesh Nagarajan,
    • Matthew J. Walter,
    • Daniel C. Link,
    • Timothy A. Graubert,

    Nature 456, 66–72 (2008) 10.1038/nature07485

  46. Highly efficient somatic-mutation identification using Escherichia coli mismatch-repair detection

    • Brock A Peters,
    • Zhengyan Kan,
    • Dragan Sebisanovic,
    • Kanan Pujara,
    • Zhiyong Wang,
    • Peter Hong
    • Bernard Chow,
    • Jeremy Stinson,
    • Victoria E H Carlton,
    • Thinh Q Pham,
    • Howard Stern,
    • Paul Waring,
    • Kenneth J Hillan,
    • David A Eberhard,
    • Frederic de Sauvage,
    • Jianbiao Zheng,

    Nature Methods 4, 713–715 (2007) 10.1038/nmeth1081

  47. Somatic Mutation Analysis in Tumor Samples using the Sequenom MassARRAY® System

    • Marisa Pearce
    • & Mathias Ehrich

    (2010) 10.1038/an7545

  48. A comparison of the instabilities at the Nivea and Pallida loci in Antirrhinum majus

    • Brian J Harrison
    • & Rosemary Carpenter

    Heredity 31, 309–323 (1973) 10.1038/hdy.1973.88

  49. Somatic mutation hotspots correlate with DNA polymerase η error spectrum

    • Igor B. Rogozin,
    • Youri I. Pavlov,
    • Katarzyna Bebenek,
    • Toshiro Matsuda
    • & Thomas A. Kunkel

    Nature Immunology 2, 530–536 (2001) 10.1038/88732

  50. Molecular alterations of EGFR and PTEN in prostate cancer: association with high-grade and advanced-stage carcinomas

    • Silvia de Muga,
    • Silvia Hernández,
    • Laia Agell,
    • Marta Salido,
    • Nuria Juanpere,
    • Marta Lorenzo
    • José A Lorente,

    Modern Pathology 23, 703–712 (2010) 10.1038/modpathol.2010.45