2009年12月17日木曜日

一年で5例目のモンドール病(乳腺血栓性静脈炎)

今年の2月に半年で4例目のモンドール病を診たと書いて以来、久しく診なかったモンドールに昨日出くわした。

60台後半の女性で左乳腺の下方に有痛性索状物があり、近医から「乳癌の疑い」ということで紹介を受けた。見た瞬間モンドールとわかるのがモンドールの由縁だが、この方も典型的モンドールであり、索状物は5mm程度であり、上方は左乳腺D領域に入る。一方下方は台12肋骨を乗り越えて腹壁に中途まで伸びている。これ、上方と下方を両手の指で固定したまま逆方向に引っ張ると、見事に血管が浮かび上がることに本日気が付いた。乳癌のデレと同様の所見であり、血管炎が周囲の組織を巻き込んでいるからそうなるのだろうこんなことは教科書には書いてない(あたりまえだ、今日ボクが見つけた)。通常の乳癌検索はMMGとエコーと触診を行ったが異常なし。ということで「良性の炎症性変化でなにも心配いらんです。癌じゃない、3週間で自然に消えると思います。薬はいらんでしょう、よかったですね」といって帰って貰った。硬く触れる物が突然自分の乳に現れるので、大抵の女性はうろたえるのだ。この病気を一年で5例も診ることになるとは思わなかった。

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