2009年11月1日日曜日

マウス腸管におけるサルモネラ感染現場を多光子顕微鏡で見る

マウス腸管におけるサルモネラ感染現場を多光子顕微鏡で見る

11月号のnature digest(日本語版)にある「照明、 スタンバイ! カメラ、 スタンバイ!感染開始、 アクション!」 という記事が興味を引いた。

多光子顕微鏡法の登場により、免疫学者は、細胞レベルでリアルタイムの感染プロセスを観察し、記録できるようになった。 Jeanne Erdmann がその「撮影現場」を取材した。 Nature Vol. 460(568-570)/ 30 July 2009

最先端の免疫学を特徴付けるものが「イメージング映像」であることを教えてくれる良い記事である。これまでの試験管の中で免疫細胞と細菌を戦わせるタイプの研究とは異なり、たとえて言えば実際の「関ヶ原の戦い」を上空から空撮したデータを元に「戦いの本質」に迫るような研究スタイルがいまや可能になったことをわかりやすく解説してくれる。生きたマウスの腸管の拡大画像(倍率は〜1000倍であるという)を体外から、何時間にも渡って観察できるのだから面白い世の中になったものである。この実験ではサルモネラ(青色)が注入されたマウス腸管微絨毛(赤色)における好中球(緑色)の戦いをリアルタイム映像で追いかける。

多光子顕微鏡は神経生理学でも活躍中であるときく。ラットの頭蓋骨の外から顕微鏡でのぞき込み、大脳の層構造からシナプス伝達を生きたままみることができるのだが、それは見事なものであった。

多光子顕微鏡による映像は http://tinyurl.com/n35ufp
および http://tinyurl.com/mb6l45 で見ることができる。

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