2009年9月4日金曜日

AB型・Rh(-)の患者さん、血小板がやばいかも・・・

以前ちょいと書いたAB型・Rh(-)のアプラの患者さん、リハビリは順調であるが9月の採血で血小板が3万を割りそうだ。Hbは7.6くらいでなんとか踏みとどまっているし、白血球も低空飛行だが無菌室まではいかない。なんせ、AB型・Rh(-)であるから急に血液をそろえようと思っても、早々には集まらないはずだ。まるで東南海地震の前の準備のようであるが、これまで赤血球のことばかり考えていたのだが、こう血小板が減ってくると血小板輸注を考えておかなければならない。厚労省かどこかの難病ガイドによると、この病態(再生不良性貧血)では重症度を5段階に分けて、三系統それぞれの対処が書いてある。

・・・シクロスポリンを 一定期間投与し、効果の有無をみる。これは、罹病期間が長くなると免疫抑制療法の反応性が低下するためである。2〜3ヶ月の投与で血小板や網状赤血球の増加が見られなかった場合には、蛋白同化ステロイドの酢酸メテノロン(プリモボラン)に切り替えるか、ネオーラルにプリモボランを追加する。血球減少が進行し、輸血が必要となった場合には速やかにウサギATG(サイモグロブリン)療法に移行する。蛋白同化ステロイドは腎に作用してエリスロポエチンの産生を高めると同時に、造血幹細胞に直接作用して増殖を促すとされている。ウサギATG(サイモグロブリン2.5〜3.5 mg/kg/日を5日間点滴)とシクロスポリンの併用療法か、40歳未満でHLA一致同胞を有する例に対しては骨髄移植を行う。ATGはヒト胸腺細胞でウサギを免疫することによって作られた免疫グロブリン製剤である。造血幹細胞を抑制するT細胞を排除することによって造血を回復させると考えられているが、 作用機序の詳細は分かっていない。シクロスポリンとの併用により、約7割が輸血不要となるまで改善する。成人再生不良性貧血に対する非血縁者間骨髄移植後の長期生存率は70%以下であるため、適用は免疫抑制療法の無効例に限られる。・・・

などとなかなかマニアックである。血小板輸血が必要になった場合、血液型をどれくらい考慮する必要になるのだろうか?これがなかなか悩ましい。AB型・Rh(-)型である。普通これは赤血球膜上の抗原系であるが、当然体細胞レベルではどんな細胞上にも存在する(はずだ)。血小板輸血液のなかには血小板だけが入っているかというとそれはあり得ず、当然あるレベル別の細胞が混入しているはずである(リンパ球とか)。これが実際上は問題になる(こともあるようだ)。CRCなら日赤はAB型・Rh(-)型を用意している。だけど血小板液にそこまで配慮した製剤があるのだろうか?通常、ここまでややこしい(希な)医学状況は想定していないはずである。これは日赤に問い合わせねばならんのかもね。

「プリモボランなどで頑張ってください」と言われるのがオチかも・・・・返す返す、悩ましい患者さんであることよ。

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