2009年8月15日土曜日

iPS/p53におけるNature 連続5論文

iPSを効率よく作るにはp53の働きをつぶせば良いのですよ・・・という論文がNature on lineに一挙に5報載った。山中さんのところもこの5報の中に入っているので良かったのだろうが、しかしこの論文・事実だとすると、ちと残念。治療薬としての細胞、人に投与する細胞のp53が壊れているわけにはいけないであろう

5報も読む気がしないのでNews & Viewsからつまみ食い・・・

1) kawakami :p53を欠失させるとOct4、Sox2だけでiPS化可能
2) 3グループがp53(−)iPSをマウスの胎児(芽)に移植すると成体マウスの各組織に生育することを示した。
3) p53欠失により癌化のリスクは高まるだろうか?Marionによるとp53(−)iPSはゲノムが不安定で成体に育ち上がるには不十分な細胞だという。Hongによると仮にうまく成体に育ち上がったマウスであっても結局は腫瘍ができてしまうという。
4) UtikalはiPSの効率的な作成にはp53(−)は一過性であってもいいのだという。その分腫瘍化の危険性は下がる。
5) とはいえ、決定的な結論は述べられていない。p53を触ることでiPS化を促進する・・・これは個人ベースの診断・治療効果への応用には大きな前進となろう。
6) しかし本来の目的、すなわちiPSによる代替医療には使えないと考えざるを得ない。

なんだか、一歩迂回してる気がする。p53以外にiPS作成効率を上げる因子を探せよ!!

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