2009年2月8日日曜日

帯状疱疹ー眼部帯状ヘルペス

今晩は私、当直だけど先ほど入院して貰った帯状疱疹の患者さんは重症だわ。左の眼瞼が浮腫(++)で、すでに結膜炎があるよ。三叉神経一枝が中心だけど二枝まで及んでいそう。点滴一週間のメニューですが、この患者さんにはPHNがきそうでこわいですな。一週間ほっとかれて居るんだもの!!当院にくるまでに二つの病院にかかっている。

眼症状
三叉神経第1枝領域の帯状疱疹では角膜炎、結膜炎、虹彩毛様体炎、網膜炎などを合併することがあり、眼部帯状ヘルペスと呼ばれます。鼻尖や鼻背に皮疹を認める場合に合併が多いと言われます(Hutchinson’s rule)。ラムゼーハント症候群では閉眼不全の結果、機械的刺激で角膜びらんを生じることがあり、注意が必要です。

<2>神経症状
  疼痛には非ステロイド系鎮痛薬の内服ないし坐薬を用います。健康成人への早期治療開始例ではこれで十分です。効果不十分な場合、特に三叉神経領域の疼痛に はcarbamazepine(200 mgを眠前から漸増)やphenytoinが奏効します。強い疼痛には星状神経節ブロックや硬膜外ブロックによる交感神経ブロックを追加します。前者は三 叉神経,頸髄神経、上位胸髄神経領域、後者はそれ以下の症状に対し行います。知覚神経ブロックを併用することもあります。ラムゼーハント症候群では抗炎 症、浮腫軽減の目的で副腎皮質ホルモン(プレドニン60 mg 朝1回から始め、2週間で漸減、中止)を使用する。重症例や、ステロイド使用困難例では組織の血行や浮腫の改善目的で星状神経節ブロックを併用します。麻 痺が高度な例では発症2週間以内の顔面神経減荷術を考慮します。麻痺発生の2週間後に顔面神経の誘発筋電図で筋収縮が誘発されるものは予後良好、電位振幅 減少率が80%以上では後遺症を残す危険性があります。麻痺出現から3日以内に治療を開始した場合の完全寛解率は75%、7日以後の開始では30%で、自 然治癒と同等です。なお、リハビリテーションとして表情筋のマッサージを行います。低周波刺激などによる強い刺激は神経の過誤支配を促進する恐れがあり、 当院では行っておりません。

<3>眼症状
  眼病変には抗ウイルス薬の全身投与を行います。局所療法として、結膜炎にはacyclovir眼軟膏を用います。角膜炎の場合にはこれにステロイド点眼薬 を加え、2次感染予防目的で抗菌薬ないし抗生物質の点眼薬を併用します。ラムゼーハント症候群では閉眼不全が進行するため、程度に応じて人工涙液(マイ ティア)を頻回に点眼します。ほこりの多いところを避け、眼帯を用いるなどして角膜を保護します。角膜びらんを生じた場合にはコンドロイチン硫酸やビタミ ンB2の点眼薬を用います。

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