2008年11月29日土曜日

吃逆を止める薬

クロルプロマジン
製品例 : ウインタミン錠12.5mg~25mg~50mg~100mg、コントミン糖衣錠12.5mg~25mg~50mg~100mg  区分 神経系用剤(含む別用途)/クロルプロマジン製剤/精神神経用剤

バルプロ酸ナトリウム
製品例 : デパケン錠100~200、デパケンR錠100~200、デパケン細粒20~40%、デパケンシロップ5%、セレニカR顆粒、バレリン錠100~200mg区分 抗てんかん剤/その他/抗てんかん剤・躁状態治療剤

メトクロプラミド
製品例 : プリンペラン錠5、プリンペラン細粒2%、プリンペランシロップ0.1% 区分 他の消化器官用薬/その他/消化器機能異常改善剤

しゃっくり:横隔膜のけいれん

しゃっくり:横隔膜のけいれん

しゃっくりは正式には吃逆(きつぎゃく)といい、だれにでも起こるありふれた状態ですが、れっきとした運動機 能障害の1つです。しゃっくりは横隔膜がけいれんした後、声門が素早く閉じるときに出る音をいいます。横隔膜は腹部と胸部を仕切っている筋肉で、1回ごと の呼吸を調節しています。声門は左右の声帯の間の開口部で、声門が閉じると空気が肺に流れこまなくなります。しゃっくりは、速く深い呼吸(過換気)などに よって、血液中の二酸化炭素レベルが下がると起こりやすくなります。

しゃっくりの大半は、明らかな原因がなくても起こります。しゃっくりが社交的な場で出ることが多いのは、おそ らく笑ったり、話したり、食べたり、飲んだりといった動作の相互作用によるためと考えられます。熱いものや刺激のある飲食物が引き金になることもありま す。さらに少数ながら、より重大な原因として、肺炎や胸部・胃の手術による横隔膜の炎症、腎不全で老廃物がたまることによる血液中の有害物質の増加があり ます。まれに、脳腫瘍や脳卒中によって脳の呼吸中枢が障害され、しゃっくりが起こることがあります。

しゃっくりの多くは突然始まり、数秒から数分後には止まります。しかし、ときには健康な人でも、しゃっくりが なかなか止まらないことがあります。重大な原因によるしゃっくりは、その原因が治るまで長びく傾向があります。脳腫瘍や脳卒中によるしゃっくりは非常に止 まりにくく、疲労が増大します。

しゃっくりを治す方法として、さまざまな民間療法が知られています。多くは、血液中の二酸化炭素レベルを増や してしゃっくりを止めようとする方法です。息を止めるのが最も単純なしゃっくりの止め方ですが、紙袋(ビニール袋は不可)を口にあてて呼吸するのも、二酸 化炭素レベルを増加させる効果があります。また、水を素早く飲んだり乾燥したパンや砕いた氷を飲みこんだりすると、脳から胃へ走る迷走神経が刺激され、 しゃっくりが止まります。舌をそっと引っぱったり、眼球をそっとこすっても迷走神経を刺激します。これらの方法は、ほとんどのしゃっくりに効果がありま す。

長びくしゃっくりで、特に治りにくい原因がある場合は治療が必要です。さまざまな薬が使用されてきましたが、効果はまちまちです。使用される薬にはスコポラミン、プロクロルペラジン、クロルプロマジン、バクロフェン、メトクロプラミド、バルプロ酸などがあります。

2008年11月19日水曜日

宿便性直腸潰瘍

宿便性直腸潰瘍について
(1)岩垂純一の「肛門疾患診療プラクティス」(平成19年第二版)には全く触れられていない。
(2)Sabiston Textbook of Surgery

2008年11月14日金曜日

宿便性直腸潰瘍:その後の老女

Stercoral ulcer−2

Stercoral ulcer is an ulcer of the colon due to pressure and irritation resulting from severe, prolonged constipation. It is most commonly located in the rectum. Individuals with this condition are at risk for stercoral perforation.


肛門痛の老女は見違えるようによくなった。ただひたすら緩下剤と下剤で排便をコントロールする。
こんな明るい人だったのか!典型的老人性うつ病だと思っていたが、単に痛かっただけなのね。ごめんなバーさん。

digitalが今日はできました。潰瘍なおっている。肛門鏡は奥まではまだ無理。しかし入り口の潰瘍はすでにない。
だいたい異常にトーヌスが高いよ、この老女。
宿便性直腸潰瘍ってあるんだよね。

グラス・ハーモニカ「アダージョとロンド K617」



ホリガーのオーボエ四重奏曲は昨日届いて早速聴いたのだが、やはりこの曲は素晴らしい。何回も聴きたい曲ですな。ただしホリガーの演奏はボクが若い頃愛聴していた古いレコード(誰の演奏かは不明)とはかなり違う。あの古い演奏が聴きたいな。

ところでこのCDには四重奏曲と五重奏曲のほかに「アダージョとロンド K617」というのがついていて、最初その異様な音色にこれは果たして本当にモーツアルトなのだろうかといぶかしんだ。カバーにはgrass armonicaとしか書かれていない。ハーモニカの音じゃないぞこれは。ガムランのような不思議な音だ。そこでgoogleである。さすがはグーグルだね。

2008年11月13日木曜日

Wotherspoon grade:マルトリンパ腫





Wotherspoon grade: 胃MALTリンパ腫の生検分類

Wotherspoon Grade 0: Normal : Scattered plasma cells: no lymphoid follicles
Wotherspoon Grade 1: Chronic active gastritis: Small clusters of lymphoid cell in lamina propria: no lymphoid follicles or lymphoepithelial lesion
Wotherspoon Grade 2: Chronic active gastritis with florid lymphoid follicle formation: Prominent lymphoid follicles
Wotherspoon Grade 3: Suspicious lymphoid infiltrate, probably reactive: Lymphoid follicles surrounded by small lymphocyte that infiltrate diffusely in lamina propria and occasionaly into epithelium.
Wotherspoon Grade 4: Suspicious lymphoid infiltrate, probably lymphoma: Lymphoid follicles surrouded by CCL cells that infiltrate diffusely in lamina propria and into epithelium in small groups.
Wotherspoon Grade 5: Low-grade B-cell MALT lymphoma: Dense infiltrate of CCL cells in lamina propria; prominent LEL.

  • Wotherspoon AC, Doglioni C, Diss TC, Pan L, Moschini A, de Boni M, Isaacson PG. Regression of primary low-grade B-cell gastric lymphoma of mucosa-associated lymphoid tissue type after eradication of Helicobacter pylori. Lancet. 1993 Sep 4;342(8871):575-7.
  • グレード0:プラズマ細胞がチラチラ、瀘胞構造はみえない。正常である
  • グレード1:粘膜固有層にリンパ系細胞の集蔟。まだ瀘胞構造はみえないし、リンパ上皮様態も見えん。いわば慢性胃炎。
  • グレード2:瀘胞構造が目立つ。
  • グレード3:リンパ球の浸潤が疑われる。こいつはおそらくは反応性の変化。小リンパ球により囲まれた瀘胞構造認める。この瀘胞は粘膜固有層に厚く浸潤したり、時に上皮間に入り込んでみたり。
  • グレード4:。リンパ球の浸潤が疑われ、これはリンパ腫である。リンパ濾胞はcentrocyte-like(CCL)細胞に囲まれる。この瀘胞は粘膜固有層に厚く浸潤したり、群をなして上皮間に入り込んでみたり。
  • グレード5:。悪性度の低いB細胞性MALTリンパ腫。centrocyte-like(CCL)細胞が粘膜固有層に厚く浸潤したり、リンパ上皮様構造も顕著。




Grade 記載 組織学的特徴
0 正常 粘膜固有層内に散在する形質細胞。
リンパ濾胞を認めない。
1 慢性活動性胃炎 粘膜固有層内のリンパ球小集簇。
リンパ濾胞は認めず。LELもみない。
2 リンパ濾胞を伴った
慢性活動性胃炎
マントル帯と形質細胞に囲まれた明かなリンパ
濾胞の形成。LELはみない。
3 おそらく反応性と考えられる
粘膜固有層のリンパ球浸潤
リンパ濾胞の形成と小型リンパ球の固有層内の
びまん性浸潤。時に上皮内にも少数の浸潤を認める。
4 リンパ腫が疑われる
固有層内のリンパ球浸潤
リンパ濾胞はcentrocyte-like(CCL)細胞に囲まれており
後者の固有層内のびまん性浸潤と上皮細胞間への集簇性浸潤を認める。
5 低悪性度MALTリンパ腫 粘膜固有層内へのCCL細胞の著しい浸潤が見られ
lynphoepithelial lesionの形成も明かである。

2008年11月12日水曜日

モーツアルトのオーボエ四重奏曲

モーツアルトのオーボエ四重奏曲をアマゾンで購入した。ホリガーのオーボエで1200円というのは良い値段である。
楽しみである。この曲すきなので・・・。

2008年11月10日月曜日

クラシックの魔法 スピリチュアル名曲論(西村 朗)

クラシックの魔法 スピリチュアル名曲論

自分の知らないクラシック曲を探しているので、最近この手の本を好む。
肩の凝らないクラシック案内。名盤・名演奏家列伝ではなく、「ある特定の個人」による好きな曲の拾い上げ。ボクは山本 一太、茂木大輔、松本大輔、そして西村 朗と読んでみた。

数十ページ読むと、自分の志向と大きく違わないことがわかる。そう大きく違わないのならば後はその人にしばらくは影響されてもよい・・・というやり方で、自分の知らない曲を開拓していく。

著者、西村 朗は臆面もなく「エリーゼのために」や「トロイメライ」などを紹介するかと思えば、ラベルについては紹介が「水の戯れ」であったり、ドビッシーには紹介曲がなかったり(少なくとも大目次には・・)と選択が面白い。文章表現は控えめなタッチであるが、でも所々に本音が出ていている。「ホー」と思ったのはサンソン・フランソワが大嫌いであるという一節である。レコ芸あたりの名盤紹介だとラベルの定番はサンソン・フランソワ(あるいはキーゼギング)ということになるが、西村は嫌いなんだって。ボクはこないだラベルのピアノ曲全集をフランソワで購入したが、確かになんか違うような気がしてならなかった。それまで聴いていたのがアビー・シモンという人で、これがなかなか良かったからね、特にラ・バルス。あるいはラフマニノフの紹介で山本一太の本同様に「ヴォカリーズ」が出てくる。

というわけで西村にかけてみてもよいなと思われた曲は、プッチーニの「ラ・ボエーム」である。

2008年11月1日土曜日

ワルター・ギーゼキング

ベネディッティ・ミケランジェリ

ミシェル・ベロフ

ワルター・ギーゼキング
  • 今日ギーゼキングは、もっぱらモーツァルトドビュッシーラヴェルの伝説的な演奏家として記憶されている(モーツァルトの全集はレコード会社から持ち込まれた企画であった)。作曲者の存命中にラフマニノフの協奏曲の録音にいどんだ、最初のピアニストでもある。
  • ドビュッシーやラヴェルのピアノ曲は、たいてい運指やペダルの指定がなく、これらは演奏者の判断に委ねられている。殊にドビュッシーでは、ともすれ ば曲の見通しが曖昧模糊となりがちである。これに対して、ギーゼキングの演奏は曲の分析力が明晰で、当時のつたないアコースティック録音にもかかわらず、 ニュアンスに富んだ繊細な音色と、多彩な表情の変化に満ちている。その上、演奏技巧に欠点がない。つまり、曲の解釈において迷いが無い。たとえばドビュッ シーの≪前奏曲 第1集≫の<パックの踊り>は、これほどの速さで押し切っているにもかかわらず、まったくテンポやフレージングが乱れない。
  • こうした特長のために、学習者 の模範として使われてきただけでなく、後世のピアニストからは、ドビュッシーやラヴェル演奏の完成者として、到達目標として仰がれたのである。

サンソン・フランソワのラベル

サンソン・フランソワのラベル ピアノ集をアマゾンで買った。ほとんどの曲は2度買い、三度買いになる(たとえば亡き王女、ソナチネ、クープランなどだが、今回の購入のきっかけはこうだ。

(1)10月の下旬に「のだめカンタービレ」のDVDをまとめてみてしまったこと。
(2)DVDの中でパリに到着したのだめが最初に弾いた曲が「鏡」だったこと。
(3)この鏡がめちゃくちゃ良かったこと。それで欲しくなったわけだ。

いろいろあさっているうちに古くからのサンソン・フランソワの2枚が目に留まった。これはLP時代から目立つジャケットである。
何十年ぶりかで購入したというわけだ。 一枚1300円である。ありがたい世の中である。

プロコフィエフ:古典交響曲
(小澤征爾+ BPO)も購入。89〜90年の録音である。ドイツ・グラモフォンの例の装丁であるが、なんと1000円。The Best 1000というシリーズらしい。

この一ヶ月でよく聴く曲は「プーランク:オーボエ・ピアノソナタ」ですな。これはいいですよ。